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国際・政治 闘論席

世の終わりを受け入れた人々と核兵器 片山杜秀

撮影 中村琢磨
撮影 中村琢磨

片山杜秀の闘論席

 ロシアがウクライナに侵攻して以来、『見えざる街キーテジと聖女フェヴローニヤの物語』のことが思い出されてならない。知る人ぞ知るロシアのオペラ。リムスキー=コルサコフの晩年の超大作だ。日露戦争終結後2年の、1907年に初演された。

 物語はロシア正教の古儀式派のキーテジ伝説に基づく。13世紀の東スラヴ世界に、チンギスハンの孫が率いるモンゴル騎馬軍団が攻めよせる。東スラヴの都市という都市は、壊滅させられる。だが、唯一の例外があった。街の名はキーテジ。神のご加護を受け、見えざる街になって、モンゴル人も見つけられなかった。街は今も見えないまま。信仰正しき人々が永遠の生を受けて暮らしている。

 不思議な話だ。たとえばこう解釈できるのではないか。

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