4年遅れでダレス空港に地下鉄延伸 利便性上がるも利用客は? 西田進一郎
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米首都ワシントンDCの中心部と、郊外にある「空の玄関口」のダレス国際空港がようやく地下鉄でつながった。これまではタクシーと1時間に1本のバスが中心だった。移動時間が計算できる公共交通機関の地下鉄が加わり、ビジネス客や観光客の利便性は大きく向上する。
運行するのは、ワシントンDCを中心に、隣接する東部メリーランド州、南部バージニア州で地下鉄やバスを運航するワシントン首都圏交通局(WMATA)だ。地下鉄は1976年に開業し、現在は6路線で97の駅がある。
トンネル工事が難航
冒頭で「ようやく」と書いたのは、当初の計画から大幅に遅れたからだ。空港までつながった路線「シルバーライン」が開業したのは、筆者が前回ワシントンで勤務していた2014年7月だった。既存の「オレンジライン」や「ブルーライン」と同じ線路を走る部分が多く、将来的に空港まで延伸されるということが目玉だった。当時から路線図には延伸区間が描かれ、開業予定は最短で16年といわれていた。公式の開業予定は18年に設定された。
ところが、延伸工事は予定の倍の8年かかった。費用も膨らみ、米紙『ワシントン・ポスト』によると総額は30億ドル(約4200億円)に上った。新たな雨水管理に関する規制を適用する設計変更や、新設駅に電気や水を供給するためのトンネル掘削工事の難航、品質管理を巡る問題が起きたのが原因という。
とはいえ、ダレス空港の利便性は上がる。空港のターミナルと地下鉄の空港駅は地下通路で移動できる。交通局によると、空港駅からワシントンDC中心部のメトロセンター駅までは約53分間で着く。多少時間はかかるが、今回延伸した区間の電車は10~15分おきに走るという。
これまでは、出張時はダレス空港ではなく、首都近郊のもう一つの空港であるロ…
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週刊エコノミスト
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