国際・政治 米中間選挙
米株価の「下院のみ共和」パターンは高値更新の傾向 平川昇二
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米中間選挙は連邦議会下院で共和党が過半数を奪回した一方、上院は民主党が多数派を維持し、上院と下院で多数派が異なる「ねじれ議会」になることが明らかとなった。「ねじれ議会」の場合、政策の実現には共和党の協力が必要になり、民主党のバイデン政権は厳しい政権運営を迫られるとの見方が大半だ。ただ、過去の選挙結果のアノマリー(経験則)を踏まえれば、株価はこれから上昇局面に入る可能性が高そうだ。
図は昨年からの米S&P500株価指数の推移と、1947年以降の大統領選を含めた2年ごとの上下両院選で大統領府、上下院の多数党が民主党であったケース、下院の多数党だけが共和であったケースそれぞれのS&P500指数の平均推移を比較したものである(選挙翌年の年初を100として指数化)。20年の大統領選では大統領、上下院とも民主党が勝利した。
第1の注目点は、昨年からの株価推移が大統領、上下院ともに民主党が握ったケースの平均的な指数の動きと似ている点だ。この組み合わせの場合、平均的に選挙後13カ月目に指数が高値のピークを打ち、その後に反転上昇している。昨年来のS&P500指数も13カ月目となる今年1月にピークアウトしており、今後も過去の平均通り推移するならば、今年の年末までS&P500は上昇が続く可能性が高い。
第2の注目点は、下院だけが共和党多数派になるという大統領府、上下院の組み合わせの場合、S&P500は平均的に来年央まで上昇が続く可能性が高い点である。来年初から過去の平均的な推移の通りに値動きするとすれば、来年央から秋にかけ一時的な調整局面が起きるものの、来年末にも再度高値を更新するケースが多いことを示している。
利上げは休止の過去
過去の大統領の政権別に、米連邦準備制度理事会(FRB)の政策金利の平均的な推移を、昨年からの政策金利と比較してみると、民主党政権は通常、初年度から財政政策に積極的であ…
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週刊エコノミスト
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