経済・企業グラフの声を聞く

株高に必要な労働分配率の増加 市岡繁男

 法人企業統計によると、2021年10〜12月期から22年7〜9月期の国内企業の経常利益(単独決算の4四半期累計)は、08年リーマン・ショック前のピークを53%も上回り、経常利益率も過去最高の6.7%となった。これに対し、営業利益は08年比で18%増にとどまり、売上高は8%も減少、人件費も2%低いままだ(図1)。

 経常利益と営業利益の差は円安が加速した13年前後から拡大し、直近は約4割、27兆円も乖離(かいり)している(図2)。経常利益だけ好調なのは、海外現地法人からの配当等を含む営業外損益が急増したからだ。この10年間の円安加速で円換算後の受取額が膨らんだことも大きい。

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