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今年はケネディ没後60年 今こそ「Courage」を 多田博子

米バージニア州のアーリントン国立墓地にあるジョン・F・ケネディと妻の墓石 Bloomberg
米バージニア州のアーリントン国立墓地にあるジョン・F・ケネディと妻の墓石 Bloomberg

 2023年11月22日は、46歳の若さで非業の死を遂げた第35代米大統領ジョン・F・ケネディ(JFK)の没後60年である。

 近所の書店でケネディの著書『Profiles in Courage(勇気ある人々)』を見つけた。ケネディが病気療養中に執筆し、上院議員8人の生き様を描いたものだ。ページをめくり、「有名な人、無名な人、成功者もいれば敗北者もいる。どんな人生でも、我々は皆、自分の勇気を問われる瞬間がある」との一文に胸を打たれた。同書は、ケネディが名参謀ソレンセンの力を借りて世に送り出し、全米ベストセラーとなった。

 政治家や経営者にかかわらず、米国で生活を送る上で勇気と決断を問われる場面は多い。一例はIT業界での大量人員整理。ツイッターの経営権を握ったイーロン・マスク氏は、就任初日に在宅勤務終了を従業員にメールで通知、従わない場合は解雇などの方針を相次いで打ち出し話題となった。「ニューノーマル」として在宅勤務に慣れてきた従業員にとっては、米景気の不透明感が強まる中、従うか、去るか、いずれの場合でも勇気と決断が試された場面である。

 米国の各種調査によると、米成人は1日当たり平均3万5000回の決断をするとされる。何を食べるか、何を着るか、誰と会って何を話すかなど、無意識も含めて膨大な決断が1日になされる。

「励まし」の重要性

 米国人は多大なストレスに囲まれて暮らしているともいえる。筆者は初めて米国人の部下を持っているが、彼らはあうんの呼吸や上から目線の指示では、かえってパフォーマンスが低下するようだ。米国に来て、「Encouraging(励まし)」の重要さを感じ、「サンキュー」「グレート」などの感謝の言葉を笑顔とともに常に心がけたところ、細かく指示せずとも皆やる気を出して良いパ…

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週刊エコノミスト

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