国際・政治ワールドウオッチ

ブラジル新政権の経済政策に現実とのズレ 美代賢志

消費は喚起できるのか…(リオデジャネイロ、2022年11月) Bloomberg
消費は喚起できるのか…(リオデジャネイロ、2022年11月) Bloomberg

 2022年10月のブラジル大統領選でルラ元大統領(労働者党)が勝利し、23年1月からルラ新政権が発足した。ただ、政治基盤は強固とはいえず、経済政策も「消費主導の経済成長」という既視感のあるものだ。

 08年のリーマン・ショックを受け、当時のルラ大統領は車両税減税などの消費刺激策で経済危機を乗り切った。新政権でも同様の政策を推進するという。だが、現在のブラジルは配車アプリやレンタカーが台頭し、マイカー購入の意欲は低い。

 自家用車にかかるコスト面を考えれば、毎日の通勤や子どもの通学送迎などで頻繁に利用して初めて「元が取れる」状態なのだ。その結果、国内の新車販売全体の4割以上が法人向けの直販で、その中でもレンタカー会社向けが多くを占めている。

残り246文字(全文568文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

4月30日・5月7日合併号

崖っぷち中国14 今年は3%成長も。コロナ失政と産業高度化に失敗した習近平■柯隆17 米中スマホ競争 アップル販売24%減 ファーウェイがシェア逆転■高口康太18 習近平体制 「経済司令塔」不在の危うさ 側近は忖度と忠誠合戦に終始■斎藤尚登20 国潮熱 コスメやスマホの国産品販売増 排外主義を強め「 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事