ブラジル新政権の経済政策に現実とのズレ 美代賢志
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2022年10月のブラジル大統領選でルラ元大統領(労働者党)が勝利し、23年1月からルラ新政権が発足した。ただ、政治基盤は強固とはいえず、経済政策も「消費主導の経済成長」という既視感のあるものだ。
08年のリーマン・ショックを受け、当時のルラ大統領は車両税減税などの消費刺激策で経済危機を乗り切った。新政権でも同様の政策を推進するという。だが、現在のブラジルは配車アプリやレンタカーが台頭し、マイカー購入の意欲は低い。
自家用車にかかるコスト面を考えれば、毎日の通勤や子どもの通学送迎などで頻繁に利用して初めて「元が取れる」状態なのだ。その結果、国内の新車販売全体の4割以上が法人向けの直販で、その中でもレンタカー会社向けが多くを占めている。
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週刊エコノミスト
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