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消える金融機関の債券含み益 市岡繁男

 海外の金融サイトに、著名な債券アナリスト(ジム・グラント氏)が「日本の債券は世界最大のリスク」と語った記事が掲載された。その骨子は次の3点だ。1点目は「昨年9月下旬の英年金運用危機の際、英中央銀行は総額約50億ドル(6500億円)を支出したが、日銀は(長期金利抑制のため)毎日、数兆円も使っている」。

 2点目は「日本では仕組み債を組み入れた会社が多々ある。5年間は0.75%の利回りだが、金利が一定レベル以上になれば、その商品の償還期間は10年に延びる、といった類いのものだ」。3点目は「日本は海外に3兆ドルも投資し、その半分は米国にある。もし円金利が魅力的な水準になれば、そうした資金は日本に戻るので、市場の動揺が強まる」というものだ。

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