米国の焼き菓子「トゥインキーズ」製造元ホステス・ブランズ 岩田太郎
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Hostess Brands 一口サイズの焼き菓子好調/65
ホステス・ブランズはクリーム入りケーキやドーナツの製造を手掛ける米国の老舗菓子企業だ。創業は1919年のカップケーキ製造にさかのぼる。数回の買収を経て事業を継続する中で、2004年と12年に2度の経営破綻に陥った。04年は砂糖や小麦粉など原材料や、製造に使う燃料費の上昇が経営悪化につながった。再生を目指す過程でリーマン・ショック(08年)が起こり、さらに組合員向けの年金負担が重しとなって、12年に再び破綻。清算を経て13年に新たに再スタートした。
有名な主力商品は、米国内でのブランド認知率90%と米国人なら誰でも知っている焼き菓子「トゥインキーズ」だ。筒状のスポンジケーキの中にバニラクリームがたっぷり入ったロングセラーで、同社の株式市場ティッカーシンボルの「TWNK」はこの人気商品の略号だ。その他にカップケーキやドーナツも販売する。
ホステス・ブランズの菓子商品は、米市場において21年12月期に21.3%と大きなシェアを持つ。過去3年間の1株当たり利益は毎年35%成長している。新型コロナウイルス流行に伴う巣ごもり需要や、原材料費高の商品値上げへの転嫁が利益を押し上げた。さらに、核家族化や単身世帯の増加で進む個食化に合わせた一口サイズの商品ブランド「バウンサーズ」の好調も寄与している。トゥインキーズをはじめ、チョコレート味カップケーキの「ディンドンズ」、シナモン風味ドーナツの「ドネッツ」は、手軽な菓子として人気が高い。
無糖クッキーも人気
ホステス・ブランズの生菓子は、高い知名度からスーパーマーケットのレジ精算ラインなど、小売店で“一等地”とされるスペースに置かれることが多い。店頭売上高は生菓子部門が22年7~9月期に4億5600万ドル(約592億円)と前年同期比で17%増、クッキー部門は4800万ドル(約62億円)と28.8%増加した。
また、純利益は22年7~9月期に3億4620万ドル(約450億円)と、前年同期比20.2%増加している。好調な業績に伴い、22年12月期の売上高予想は当初の前年比15%増から1…
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週刊エコノミスト
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