街をピンクに染める全米桜祭り 市街地活性化の役割も 小林知代
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今年もワシントンDCに全米桜祭りの季節がやってくる。110年前に日本から贈られた桜の開花を祝うこのイベントは、全米各地で開かれる桜祭りの中でも本家本元と呼べる存在だ。3月末から4月にかけての3週間、街はお祭りムードに包まれる。ポトマック川でのレガッタ(ボート大会)、灯籠(とうろう)式典、ペンシルベニア通りでのパレードなど、催し物で盛りだくさんである。
中でも、大スポンサーの一つ、アマゾンによる「ペタル・ポーチ」と呼ばれるコンテストは、ひときわ目を引く。
ポーチとは、米国の家屋の玄関口でよく見られるスペースのこと。屋根のひさしが伸び、日差しや雨をしのぐことができる。ペタル・ポーチでは、ペタル(花びら)をモチーフに、最も素晴らしいポーチの飾りつけをした人に、アマゾンから賞金が贈られる。
ピンクのちょうちんを天井からぶらさげたり、布で柱を巻いたり、ベールで自転車を包んだり。ペタル・ポーチの飾り付けの効果は大きく、期間中は街がピンクに染まる。個人の部門に加え、ブロック(1区域)全体部門もあり、「隣の通りには負けるものか」とコミュニティー全体が張り切るのもよい。アマゾンにとってこのコンテストは、荷物を届ける運転手の目を楽しませてくれることから、社員サービス兼地域貢献の一石二鳥のPR事業となっている。
歩行者天国も各地で
最近では、桜祭りでビジネス街を活性化しようという取り組みも広がる。
ワシントンの中心部に位置し、ビジネス街として知られる「ゴールデン・トライアングル地区」はハイテク産業の集積地を目指し、誘致・支援に取り組んでいるが、このエリアでも桜祭り期間には、商店はもちろん、地下鉄の改札口、バス、ゴミ箱にいたるまで、あちらこちらに桜のシールが貼られる。街角には英語による俳句作品の看板…
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週刊エコノミスト
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