おバカなSFアクション家族コメディー 異才が爆発したセカイ系大作 勝田友巳
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映画 エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス
さえない中年女性の前に、並行宇宙から来たと言う人物が現れ、「世界を救うのに君が必要だ」と告げる。主人公は異能力を駆使して大活躍──。まるでセカイ系のライトノベル。でも、見くびってはいけない。見終わって驚くこと請け合い。おバカコメディーでSFでアクションで家族ドラマ。痛快な爆笑ものにして感動的。怪作かつ快作である。
座組からして異色作。主人公はミシェル・ヨー演じる中国移民のエヴリン、夫のウェイモンドは「グーニーズ」の子役で名をはせたキー・ホイ・クァンがカムバック。白人の主要キャストは敵役のジェイミー・リー・カーティスだけ。セリフも3割方中国語。白人の米国とは別世界なのだ。そして情報量が多い。多すぎる。出だしからカオスのただ中だ。エヴリンは家族で営むコインランドリーに税務調査が入っててんてこ舞い。同時に父親の誕生祝いの準備を進めなければならないのにウェイモンドは頼りにならず、娘のジョイは同性愛者の恋人を連れて帰ってくる。エヴリンの周りの「あらゆるところで、全てが同時に」起きている。
ある時突然、ウェイモンドの様子が変わり、「自分はアルファ・ウェイモンドで、宇宙はジョブ・トゥパキによって破壊されようとしている、救えるのはエヴリンだけ」と言い出した。多元宇宙には無限の可能性があって、無数のエヴリンがいる。アルファ・ウェイモンドはエヴ…
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週刊エコノミスト
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