国際・政治闘論席

9頭に減っても日本は世界最多の貸与頭数 パンダ外交の行方は… 片山杜秀

撮影 北山夏帆
撮影 北山夏帆

片山杜秀の闘論席

 日本のジャイアント・パンダが減っている。2月、全部で13頭だったのが9頭になった。4頭が中国に帰ったせいである。東京の上野動物園のシャンシャンと、和歌山・南紀白浜のアドベンチャーワールドの永明(えいめい)、桜浜(おうひん)、桃浜(とうひん)だ。神戸市立王子動物園のタンタンも、2022年までだった貸与期限が1年延長されたものの、23年末には新たな期限が来る。日本全体のパンダ飼育頭数は近々8頭にまで落ち込む可能性がある。

 中国は、希少生物を守るワシントン条約に基づいて、他国の動物園にパンダを売らず、また贈与もせず、必ず年限付きの貸与としている。他国で生まれたパンダも所有権は中国に帰する。貸与するかしないか、貸与年限をどうするか。所有国の胸の内次第だ。南紀白浜の場合はまた特別で、中国四川省・成都のパンダ繁殖機関の日本支部という位置づけ。中国の裁量権がますます大きい。

残り434文字(全文828文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

4月30日・5月7日合併号

崖っぷち中国14 今年は3%成長も。コロナ失政と産業高度化に失敗した習近平■柯隆17 米中スマホ競争 アップル販売24%減 ファーウェイがシェア逆転■高口康太18 習近平体制 「経済司令塔」不在の危うさ 側近は忖度と忠誠合戦に終始■斎藤尚登20 国潮熱 コスメやスマホの国産品販売増 排外主義を強め「 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事