国際・政治闘論席

電気代の値上げ先送りをめぐる春の茶番 古賀茂明

撮影 中村琢磨
撮影 中村琢磨

古賀茂明の闘論席

 大手電力会社のうち、東北電力など5社が4月から、東京電力と北海道電力が6月からの電気料金値上げを経済産業省に申請している。

 岸田文雄首相は、西村康稔経産相に対して「4月という日程ありきではなく、厳格かつ丁寧な査定による審査」と「電力料金の抑制に向けた取り組みの3月中とりまとめ」を指示した。

 1月からの政府の補助金支給で、2月検針分から電気料金は大きく下がり、得点を稼いだ岸田政権。だが、国民は春からの大幅値上げに不安を募らせる。そこで、岸田首相の「指示」で、国民の期待を高める作戦に出た。値上げ幅の大幅抑制と実施時期の先送りが約束されたと国民は錯覚するだろう。

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