教養・歴史闘論席

あれもこれもチャットGPTのおかげです 池谷裕二

撮影 中村琢磨
撮影 中村琢磨

池谷裕二の闘論席

 このところAI自動応答ソフト「Chat(チャット)GPT」など、いわゆる大規模言語モデル(LLM)を耳にしない日はない。私自身チャットGPTには連日お世話になっている。依存しすぎて以前がどんなに不便だったか、わずか数カ月前だが思い出せない。

 チャットGPTはGPT-3というLLMを基に非専門家でも使えるよう改造されたサービスだ。GPT-3は3年前のLLM。3月14日にGPT-4が発表された今となっては旧型だ。この事実を念頭において損はないだろう。

 チャットGPTが世に出る前。米国のある学生がGPT-3を使って書いたリポートを提出して単位を取得し、詐欺だと糾弾された。ところが今年、米スタンフォード大学のリポート課題では17%を超える学生がチャットGPTを用いていた。時代の変化は速い。若者の順応力も高い。教職員側もLLMの禁止でなく、使用前提の教育へとシフトすべきなのだろうか。

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