ドイツの空港職員らスト 10%超の賃上げ要求で労使対立 熊谷徹
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今年のドイツでは、高いインフレ率を背景に、産業別労働組合が10%を超える賃上げを要求し、交通部門を中心にストライキが多発している。
ドイツ公共放送連盟(ARD)のニュース番組「ターゲスシャウ」は3月12日、「サービス業労働組合(Ver.di)はドイツ郵便会社(DP)で働いている16万人の従業員のために、平均15%の賃上げを要求していた。経営側は当初難色を示したが、労組側が無期限ストを実施する方針を示唆したため、平均11.5%の賃上げを受け入れた」と報じた。具体的には今年4月に1020ユーロ(14万2800円)の一時金が支払われ、今年5月から来年3月まで、毎月の賃金に180ユーロが上乗せされる。郵便物の仕分けを担当する社員の初任給は20%、郵便配達人の初任給は18%増える。
これに対し、運輸部門の労使交渉は難航している。ドイツの日刊紙『フランクフルター・アルゲマイネ(FAZ)』は3月14日付電子版で、「鉄道・運輸労組(EVG)、ドイチェ・バーンなど全ての鉄道会社に対し、少なくとも650ユーロの賃上げを要求している。労組が要求している平均賃上げ率は12%になるが、経営側は『法外な要求だ』としてわずか2時間で交渉を打ち切ってしまった」と伝えた。労使は3月27日に交渉を再開する予定。
FAZによると、Ver.diは、空港職員など、連邦政府と地方自治体の公共サービス部門で働く職員約250万人のために、大幅な賃上げを要求している。所得水準が低い労働者については、給料を最低月額500ユーロ引き上げることを要求。一部の労働者の賃上げ幅は25%にのぼる。給与水準が高い労働者については、10.5%の賃上げを要求した。同紙は、「Ver.diが要求している賃上げ幅は平均15%に達する」と指摘している。
Ver.diは、2桁%の賃上げ要求の理由について、「ロシアのウクライナ侵攻によって、2022年…
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週刊エコノミスト
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