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生演奏で勢い取り戻すブロードウェー 伊熊啓輔

スウィーニー・トッドの公演が行われているラン・フォンタン劇場(筆者撮影)
スウィーニー・トッドの公演が行われているラン・フォンタン劇場(筆者撮影)

 今春に開幕したブロードウェー・ミュージカルのリバイバル2作品「キャメロット」と「スウィーニー・トッド」が、近年まれに見る大規模なオーケストラを擁していると話題になっている。1960年に4部門でトニー賞を取った名作「キャメロット」は4月に開幕し、オーケストラは30人編成。79年に最優秀作品賞を含む8部門のトニー賞を受賞した「スウィーニー・トッド」は3月に開幕し、26人のオーケストラがピットで演奏している。

 80年代半ばから、ブロードウェー作品は経費削減のため、音楽演奏にシンセサイザーが多用され、生演奏の規模が年々縮小。これに音楽家組合は反発し、観客数に応じて最低限のミュージシャンの雇用人数の確保を労使交渉の重点のひとつとしてきた。2003年には人数の大幅削減の要求を受け入れられないと音楽家側がストライキに突入し、当時のニューヨーク市長ブルームバーグ氏が仲裁をしたこともあった。労使契約をはるかに上回…

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