マーケット・金融グラフの声を聞く

インド、ブラジル株が低迷するワケ 市岡繁男

 著名投資家のウォーレン・バフェット氏の来日を機に日本株は8連騰となった。だが世界を見渡すと日本株はむしろ出遅れ気味だ。世界の株価をみると、昨年9月末以降、最も上昇したのはイタリア、ドイツ、フランスで30%超、韓国、台湾が約20%、米国、英国は約15%と続く。日本は10%前後の上昇率で、インドやブラジルは横ばいである(図1)。つまり大きく見て、ウクライナ戦争で打撃を受けた欧州株が最も上昇し、安いロシア産原油の購入等で漁夫の利を得ているはずのインドやブラジル株は蚊帳の外なのだ。

 株価上昇には海外からの資金流入が不可欠であり、その資金を動かすのは欧米の投資顧問会社等だ。インドやブラジルには非同盟の伝統があり、ブラジルは先日、ロシア外相を招いたばかりである。こうした国の企業には米国による制裁リスクがある以上、積極的には投資できないという判断があるようだ。

残り235文字(全文614文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で過去8号分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

6月20日号

日本株 沸騰前夜14 東証新指数「トヨタ外し」が好材料 新NISA控え先回りする外国人■浜田健太郎/和田肇17 インタビュー 草刈貴弘 カタリスト 投資顧問ファンドマネジャー18 バフェット氏の商社株買い 総会で「さらなる投資」に意欲■尾藤峰男20 CFOに聞く1 インタビュー 鉢村剛 伊藤忠商事副 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事