中国の日常で際立つ日本産コンテンツ人気 ビジネスチャンスも拡大中 酒井昭治
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中国では最近、日本産コンテンツの強さが際立っている。アニメや特撮のキャラクターは、ゲームや動画だけでなく、日用品や衣料品など日常生活のあらゆる場面で目にする。利用シーンが広がるにつれ、各コンテンツの作成者だけでなく版権保有者も収益拡大のチャンスが増えそうだ。
日本産コンテンツの認知度が高い分野としては、映画市場が挙げられる。3月末に中国で上映を開始された「すずめの戸締まり」は、わずか1週間で今年の外国映画興行収入ランキングで1位を記録。4月4日には中国での日本アニメ映画興行収入で歴代1位を塗り替えるなど快進撃を続けている。「ドラえもん」や「名探偵コナン」などといったおなじみのコンテンツだけでなく、日本でブームになった作品は、SNS(ネット交流サービス)などを経由してほぼリアルタイムでその名が広がる。
背景には、中国人は幼い時から日本産コンテンツに慣れ親しんでいることが関係している。1980年代以降に生まれた人は、「ドラゴンボール」や「美少女戦士セーラームーン」「クレヨンしんちゃん」を見て育った。日本で生まれ育った人とほぼ同じものに触れていることに驚かされる。
4月20日に中国で封切られた映画「THE FIRST SLAM DUNK」もヒットしているが、「小さい時に友達と見た」「懐かしいキャラクターが多かった」など、幼い時の思い出を語る感想も多いという。日本のコンテンツに触れて育った親世代が、自分の子供にも見せるといった動きもある。これらの作品を通じ、「あきらめないこと」「仲間への思いやり」「正義感を強く持つこと」などの重要性を学ぶことができるのも、その理由のようだ。
ウルトラマンホテルも
これらのトレンドを捉え、自社の業績拡大に結びつけるような中国企業も現れた。水族館運営大手のハイチャンオーシャンパーク(海昌海洋公園)は中国全土に水族館を展開するテーマパーク大手だが、日本キ…
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