《長期金利》0.4%前後で安定推移 野地慎
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日銀は6月15~16日の金融政策決定会合で現状維持を決めたが、植田和男総裁の「物価目標を達成せずにインフレ率が下がった場合の方が対応が難しい」発言などから、政策修正期待が剥落し、10年国債利回りは0.4%を割り込んだ。市場は、「国債市場の機能低下」をよりどころとしたYCC(イールドカーブ・コントロール、長短金利操作)撤廃の期待が、わずかに残るが、その市場機能の回復も続いている。
米連邦準備制度理事会(FRB)が、年内に2回の追加利上げを示唆したことで、米国の長期金利が上昇しており、これに連動する形で日本の10年国債利回りがYCCの上限(0.5%)に到達した場合、日銀の指し値オペの応札が増える中で市場機能が低下する可能性も高まる。だが、米長期金利の変動に対する日本の長期金利の変動の感応度が下がっているので、10年国債利回りが0.5%に届くのはかなり遠いだろう。10年国債利…
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週刊エコノミスト
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