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教養・歴史 小川仁志の哲学でスッキリ問題解決

好きな科学以外に興味を持てません。視野を広げる方法は?/183

ネルソン・グッドマン(1906~1998年)。アメリカの哲学者。言語哲学や美学などの研究で知られる。著書に『世界制作の方法』などがある。(イラスト:いご昭二)
ネルソン・グッドマン(1906~1998年)。アメリカの哲学者。言語哲学や美学などの研究で知られる。著書に『世界制作の方法』などがある。(イラスト:いご昭二)

Q 好きな科学以外に興味を持てません。視野を広げる方法は? よく人から視野が狭いといわれます。昔から科学が好きで、その他のことにはあまり興味を持てませんでした。ただ、世の中が複雑化してきているので、このままではいけないと思っています。何から変えていけばいいでしょうか?(エンジニア・30代男性)

A 科学と等質性がある芸術と、そのメタファーをテコに世界認識を広げよう

 一つのことにしか興味がないという人は珍しくありません。多くの場合は仕事ですね。でも、ご指摘のように、複雑化する社会をとらえるためには、幅広い視野が必要です。だからといって、何もかも興味を持つのは大変です。そこでヒントになるのが、アメリカの哲学者ネルソン・グッドマンの芸術に関する哲学です。彼は、芸術とは世界認識の方法だといっています。

 その点でグッドマンによると、実は科学と芸術には等質性があるのです。というのも、科学も芸術も、現実の世界との適合性を問題にしているだけだからです。科学の知識や仮説が、世界を説明するための手段であることはわかると思います。同様に、芸術の表現もまた、現実の世界をとらえるための方法だということです。

 そう考えると、芸術にも興味が湧いてこないでしょうか。さらにグッドマンがいうには、芸術は科学よりも世界認識を広げるうえで大きなメリットがあります。それは、芸術の表現には「メタファー」が含まれているからです。

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週刊エコノミスト

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