金利上昇ピーク感で買われた米株式 市岡繁男
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先日の英『フィナンシャルタイムズ』紙に興味深い記事が載った。要旨は、「①ここ数週間、数千億ドルの資産を運用するヘッジファンドが、金利上昇のピークが近いとの期待感から、米国、欧州、日本の株式先物の買いポジションを拡大。②5~6月の米国株上昇は、相場下落に賭けて失敗したファンド筋のショートカバー(空売りの買い戻し)が要因。③7月の株価上昇は、同ファンドが米国株のVIX(予想変動率)指数がコロナ禍以前の水準に低下したのをみて、新規買いに転じたことが大きい」というのだ。
「恐怖指数」とも呼ばれるVIX指数はオプション取引の値動きを基に算出されるもので、数値が低いほど市場の楽観ムードが強いことを示す。実際、株価はVIX指数の低下に伴って上昇している(図1)。今春の日本株急伸は、そんな瀕死(ひんし)のファンド筋が仕掛けた起死回生の先物買いが主因だったという。
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週刊エコノミスト
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