ダーデン・レストランツ レストラン運営で全米最大級 児玉万里子
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Darden Restaurants 18万人超が働くフルサービス店/92
ダーデン・レストランツは米国のレストランチェーンの運営会社だ。店員が客の席で注文を取って料理を席まで運ぶ「フルサービス」形式のレストランの運営会社としては米国で最大を誇る。
源流は実業家のウィリアム・ダーデンが1968年、フロリダ州で設立したシーフードレストラン「レッドロブスター」の運営会社だ。ダーデンは70年、同社を米食品大手ゼネラル・ミルズに売却した。同社が95年、レストラン事業を分離して誕生した新会社がダーデン・レストランツだ。同年、ニューヨーク証券取引所に上場している。
主力はイタリア料理店「オリーブ・ガーデン」
2014年には不振に陥った「レッドロブスター」を手放した。現在の主力ブランドは1982年に1号店を開いたイタリア料理店「オリーブ・ガーデン」。2023年5月期売上高の47%を占める。同社によると、フルサービス形式のイタリア料理店としては全米最大。客単価は約22.5ドル(約3308円)だった。売上高の25%を占めるブランドは07年に他社から取得した「ロングホーン・ステーキハウス」。客単価は25.5ドル(約3749円)だった。81年に開店したステーキハウスのチェーンだ。
最近の米国の物価からみれば、両ブランドの客単価は高級レストランよりだいぶ安く、「カジュアル・ダイニング」という業態に当たる。同社は同業態のブランドをほかに五つ展開する。
客単価が100ドル(約1万4700円)前後という雰囲気を重視した「ファイン・ダイニング」業態の2ブランドも運営し、今年6月には同業態のブランドを買収した。ただ、売上高構成比は1割に満たない。
今年5月末現在、米国を中心に直営するレストランは1914店に上る。そのほか、フランチャイズ店が米国に34店、メキシコやブラジルなど国外に35店ある。
コロナ後は大幅増益
23年5月期の売上高は104億ドル(約1兆5417億円)に達した。14年に「レッドロブスター」を売却して大幅な減収となったが、その後は店舗増や新ブランドを買収して徐々に回復した。コロナ禍の一時休業による減収を経て、直近2期は再び増収に転じた。
「レッドロブスター」の売却を機に成長戦略を見直して経費の削減を進め、経営陣を刷新した。その結果、本業のもうけを示す営業利益は回復に向かった。コロナ禍では営業利益は急減したが、直近2期は大幅な増益となっている。
売上高営業利益率は直営店中心のレストランとしては高めの11~12%。ただ、売上高営業利益率が上昇した一因は、テレビ広告を減らすなどマーケティング…
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週刊エコノミスト
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