15歳から運転できるスウェーデンの低速車制度 綿貫朋子
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スウェーデンでは、15~17歳が運転する車が公道を走る。「Aトラクター」と呼ばれるこの種の車は一見、ボルボや日産といった普通車だが、実は最高速度が時速30キロメートルに制限された改造車だ。一般車と違うのは、後部にオレンジ色の三角マークが付いていること。これは速度が遅いことを警告する「低速車マーク」で、農耕作業車や工事用車両にも付けられる。
そもそもなぜ未成年が普通車の運転をと不思議に思うだろうが、同国には、18歳からの普通免許のほか、15歳から取れる「AM免許証」がある。同免許で乗れるAトラクターは、もともと農耕などのけん引車が中心だったが、数年前に規制緩和がされてから改造できる車種が広がり、中高生の間で爆発的な人気となった。今では移動手段としてだけでなく、装飾で自己表現したりと、この国独特の若者文化になっている。
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週刊エコノミスト
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