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円の下落率はトルコに次ぐ3位

 日銀の植田和男総裁は9月22日の金融政策決定会合後の会見で、「2%を超える物価上昇が続いているが賃金上昇を伴う形になっていない。それが見込めるまで粘り強く金融緩和を続ける」との認識を示した。だが、そんな悠長なことを言っている場合だろうか。2021年初を起点に各国為替の対ドル騰落率をみると、円は31%も下落しており、超インフレ国であるアルゼンチン、トルコに次ぐワースト3の座にある(図1)。これでは多少、賃金が上がったとしても、輸入物価の上昇に押され実質賃金は下がるばかりだ。

 8月の日本の消費者物価(CPI)上昇率は前年比3.1%と、米国(3.7%)より落ち着いているように見える。だが毎日消費する食品は8.6%上昇で、米国(4.2%)の2倍以上もある。日本は食料供給のうち、海外に6割超も依存している以上、円安の影響は大きい。

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