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地政学リスク増大で石油株の時代に 市岡繁男

 英『フィナンシャル・タイムズ』(FT)紙は先日、債券王と称されるJ・ガンドラック氏の投資方針を掲載した。自らもヘッジファンドを運用する氏は、株式投資家は「巨大IT7銘柄のために生きている」と揶揄(やゆ)し、「米短期国債(TB)6カ月物の利回りが年率5.5%もある以上、資金は株式に投じるのではなくTB6カ月物で待機せよ」と説く。

 FT紙によると、現在この7銘柄はS&P500の時価総額の29%を占めており(図1)、上位50銘柄ではその割合は57%に達する。上位50銘柄の占有率がこれほど大きかったのは、過去100年では1932年7月と2000年11月の2回しかない。ちなみに32年7月は大恐慌時の底値であり、00年11月はITバブルの崩壊直後である。こうした「IT7銘柄」の株価収益率(PER)は平均50倍を超えており、…

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