新規会員は2カ月無料!「年末とくとくキャンペーン」実施中です!

国際・政治 グラフの声を聞く

米財政赤字に連動する金価格 市岡繁男

 JPモルガンのダイモンCEOは先日、世界の金融市場は「過去数十年で最も危険な時期」にあると警鐘を鳴らした。「平時では過去最大の財政赤字は、インフレが高止まりし、金利がさらに上昇するリスクを高めている」というのだ。

 長期にわたる米国・非金融部門(政府+家計+企業)の債務比率(債務総額÷名目国内総生産)をみると、氏の危惧は当然だ。いまの債務比率は283%で、大恐慌期の1933年以来の水準にあるからだ(図1)。

 過去を振り返ると、1929年の株価暴落で、借金で投資をしていた人は全資産の売却を余儀なくされ、その結果、債務残高以上に国内総生産が減少してしまう。そうなると物価の下落で実質金利が上昇し、債務返済は更に難しくなった。そんな時に起きたのが31年9月の金本位制停止だった。中欧で起きた銀行危機が英国に飛び火し、ポンドを売って金に兌換(だかん)する動きが極限となる。やむなく英国はポンドと金の兌換を停止する…

残り204文字(全文609文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)が、今なら2ヶ月0円

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

12月3日号

経済学の現在地16 米国分断解消のカギとなる共感 主流派経済学の課題に重なる■安藤大介18 インタビュー 野中 郁次郎 一橋大学名誉教授 「全身全霊で相手に共感し可能となる暗黙知の共有」20 共同体メカニズム 危機の時代にこそ増す必要性 信頼・利他・互恵・徳で活性化 ■大垣 昌夫23 Q&A [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事