0から8まで9段階のVEI=火山爆発指数 7以上は「破局噴火」/164
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火山の噴火には、地震の規模を示す「マグニチュード(M)」と同じように、爆発規模の大きさを表す指標がある。「火山爆発指数」(Volcanic Explosivity Index=VEI)と呼ばれるもので、噴火によって放出されたマグマの量によって区分する。
VEIには0から8までの値があり、噴出したマグマの体積を「立方メートル」や「立方キロメートル」(すなわち10億立方メートル)で測ったうえで、体積のケタの大きさに応じてVEIの値が定められている(表)。最小のVEI0は噴出物量が1万立方メートルまで、また最大のVEI8は1000立方キロメートル以上である。
VEIのそれぞれの値に対して非爆発的噴火(0)、小規模(1)、中規模(2)、やや大規模(3)、大規模(4)、非常に大規模(5~8)というイメージしやすい表現が用いられている。進行中の噴火など十分に噴出量が把握できない場合でも、目撃された噴煙の高さや噴火のタイプなどを参考にしてVEIが推定される。
一般に、マグマに含まれる二酸化ケイ素(SiO₂)の割合が増えるにつれて、より爆発的で危険な噴火となる。ハワイのキラウエア火山でよく見られるような小規模な噴火はVEI1までで、粘り気の少ない玄武岩マグマが泉のように噴き上げる現象である。
6以上でカルデラ
一方、火山学で「巨大噴火」とはVEI5以上を指す。噴出した火山灰が11キロメートルより上空の成層圏にまで達して世界各地に堆積(たいせき)するため、年代を特定する指標として地質や遺跡発掘の調査で活用される。VEI7以上は「破局噴火」とも呼ばれ、被災地域の文明を滅ぼすなど社会に甚大な影響を与える。
VEIが大きくなるほどその発生頻度は低く、VEI8は有史以降は発生していない。
火砕流についても同様で、小規模な火砕流と大規模な火砕流とがある。小規模な火砕流は世界中で毎年のように起きるが、大…
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週刊エコノミスト
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