新規会員は2カ月無料!「年末とくとくキャンペーン」実施中です!

国際・政治 ワールドウオッチ

スコットランドの独立不発とパンダ里帰りの関係とは 酒井元実

エディンバラ動物園での甜甜 Bloomberg
エディンバラ動物園での甜甜 Bloomberg

 英国北部スコットランドのエディンバラ動物園に貸与されていたジャイアントパンダ2頭が2023年12月4日、中国へと返還された。

 オスの陽光(ヤングァン)とメスの甜甜(ティエンティエン)が贈られたのは11年。表向きにはパンダに関する理解を深め、種の世界的な保全活動への貢献が主な目的とされた。しかし、中国によるパンダ外交の経緯をたどると、含みを持った友好のジェスチャーがあったようだ。

 パンダが贈られた年の5月、スコットランド独立を公約に掲げたスコットランド国民党(SNP)が議会選挙で過半数を占め大勝。石油をはじめとする豊富な地下資源があり、「独立しても単独で国の財政を賄える」と踏んだSNPと、資源獲得の多様化を進めたい中国の思いが交錯した。独立の是非を問う住民投票が14年9月に実施される前に、中国はパンダを贈ることで独立後の体制を下支えする意思を示したことは想像に難くない。実…

残り187文字(全文578文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)が、今なら2ヶ月0円

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

12月3日号

経済学の現在地16 米国分断解消のカギとなる共感 主流派経済学の課題に重なる■安藤大介18 インタビュー 野中 郁次郎 一橋大学名誉教授 「全身全霊で相手に共感し可能となる暗黙知の共有」20 共同体メカニズム 危機の時代にこそ増す必要性 信頼・利他・互恵・徳で活性化 ■大垣 昌夫23 Q&A [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事