新規会員は2カ月無料!「年末とくとくキャンペーン」実施中です!

マーケット・金融 独眼経眼

うのみにできないFRBの5月利下げ 愛宕伸康

 米連邦準備制度理事会(FRB)は1月の公開市場委員会(FOMC)で4会合連続となる政策金利の現状維持を決めた。

 そのこと自体は市場の予想通りだったが、その後に行われた記者会見でパウエル議長は市場が期待していた3月のFOMCでの利下げを「可能性は低い」と否定した。議長は米国のインフレ率が物価目標の2%に収束すると、3月時点で確信することはできないとみている。ならば、ということで市場は5月FOMCでの利下げに見通しを修正したが、それも怪しい。

 FRBが物価目標の対象としている個人消費支出(PCE)デフレーターは確かに、振れの大きい住宅とエネルギーを除くコアで見ると、2023年12月は3%を割るところまで落ち着いてきている(図1)。このまま順調にプラス幅が縮小していけば、5月の利下げもありそうな気がする。

 図1の点線は、新型コロナ前の前月比のトレンドを使って延長したもので、5月には前年比が2%を下回る。ここ数カ月のトレンドで延長しても同じような結果になるが、実際にそうなれば何とか5月FOMCでの利下げは可能だ。

 しかし、米国の景気は意外なほど強く、雇用環境もタイトなままだ。サプライチェーンも新型コロナ前に戻ることは考えにくく、そうした中でこのまますんなり2%に落ち着いていくとは思えない。

カギは「サービス価格」

 カギはウエートが大きいサービス価格が握っている。12月のサービス価格(住宅と…

残り513文字(全文1113文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)が、今なら2ヶ月0円

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

12月3日号

経済学の現在地16 米国分断解消のカギとなる共感 主流派経済学の課題に重なる■安藤大介18 インタビュー 野中 郁次郎 一橋大学名誉教授 「全身全霊で相手に共感し可能となる暗黙知の共有」20 共同体メカニズム 危機の時代にこそ増す必要性 信頼・利他・互恵・徳で活性化 ■大垣 昌夫23 Q&A [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事