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株高はハイパーインフレの前触れか 市岡繁男

 米国株が底値をつけた昨年9月末以降、日本株は約6割も上昇した。ただ、今の株価高騰は世界的現象であり、イタリアなど日本以上に上昇している国もある(図1)。

 だが、なぜこれほど株価が高騰しているのか、腑(ふ)に落ちる説明がない。政府支出の拡大で潤う米国株はともかく、日本や欧州各国では国内総生産(GDP)や鉱工業生産が低迷している。それも欧米の中央銀行が金融引き締めを継続する中で、株価は最高値を更新しているのだ。つまり今の株高は、景気好調や金融緩和といった従来の常識とは異なる局面で起きている。

 このため株価の先行きに弱気な人も多く、空売りポジションがたまりやすい。そこに謎の投機筋が大口の買いを入れてショートカバーを誘発する、踏み上げ相場が続いてきた。だが、その資金は一体どこから来ているのか。筆者は、日銀の総資産増加→流動性供給と米国株が連動していることにヒントがあるように思うが、確証はない。

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