金接近が示唆する熱い戦争の接近 市岡繁男
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商品相場が上昇している。なかでも金は1トロイオンス=2080ドル台の上値抵抗線を突破し、いわゆる「逆三尊形」になった(図1)。チャートを読む人なら、買いサインと考える形状だ。
金は金利がつかないので、金利上昇局面では下落することが多い。だが今回の金急騰は、実質金利(物価連動債利回り)が上昇する中で起きている。このことは、世界の賢人たちは有事モードにシフトしたということだ。金は本質的に、戦争などの不安要因で買われるのである。
事実、世界は大きな戦争に向かう機運が高まっている。例えばフィンランドはウクライナと防衛協定を締結したが、同国が参戦国と2国間協定を結ぶのは先の大戦以来のことだ。またマクロン仏大統領はウクライナに派兵する可能性を語り、ロシアは核の使用も辞さないと応酬する。イスラエルはシリアのイラン大使館を攻撃し、イランは反撃を誓うといった案配だ。これではいつ熱い戦争になっても不思議はない。
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週刊エコノミスト
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