なぜAI関連の米エヌビディア株が2割も下落したのか 市岡繁男
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株式市場は生成AI(人工知能)の将来性に着目し、中核銘柄の米エヌビディア株は、この1年半で約7倍に上昇した。だが3月25日のピークアウト後は2割も下落し、ITバブル崩壊後の花形株をほうふつさせる値動きだ(図1)。なぜこれほど下落しているのか。
理由は2点ある。1点目は長期金利が4.4%という節目を超えたことだ(図2)。平均株価はこの1年半、この水準を境にリスクオン・オフを繰り返してきた。今般、このレベルを上回ったことで、株価が割高な同社株はいち早く売られたのだろう。
2点目は生成AIの将来性に疑義が生じていることだ。国際エネルギー機関によると、生成AI関連のデータセンターで消費される電力は次の2年間で2倍以上となり、その量は日本全体の電気の年間消費量に匹敵するという。中東紛争拡大で電気代が高騰したら、生成AI関連の投資は割に合わなくなる。
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