限界に近づいたケインズ政策 市岡繁男
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J.M.ケインズは大恐慌に対する処方箋として、財政政策(インフラ等への政府投資)と金融政策(利子率の引き下げ)を取り混ぜて需要を刺激するよう求めた。その考えをまとめた「雇用・利子および貨幣の一般理論」は戦後、経済政策のバイブルとなった。
だが民主主義体制下では、為政者は選挙民を意識して財政を拡大し、中央銀行も金利を下げてフォローするのが常だ。このため政府も国民もケインズ政策に過度に依存し、世界は過剰債務体質になった。2020年のコロナ禍の際も、各国が打ち出した政策は国債増発と金利低下を…
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週刊エコノミスト
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