国際・政治 闘論席

二度あることは三度ある“頃合い”? 片山杜秀

撮影 中村琢磨
撮影 中村琢磨

片山杜秀の闘論席

 国際連盟。1920年に誕生した。第一次世界大戦後の世界に平和を持続させるための世界的大組織である。

 設立の基本理念を提唱したのは米国のウィルソン大統領。しかし米国はヨーロッパへの不干渉を謳(うた)ってきた国。モンロー主義という。それなのにウィルソン大統領は米国を第一次世界大戦に参加させ、さらに国際連盟を主導したがっている。議会が反対し、米国の国際連盟入りは成らなかった。

 こうして最初からやや弱体だった国際連盟は、29年からの世界大恐慌で大国間の利害調整が困難になると、たちまち機能不全に陥っていった。常任理事国の日本が満州国の問題で脱退。ドイツは軍縮を嫌がって脱退。イタリアはエチオピアと、ソ連はフィンランドと戦争を始めて脱退。辞められては何を決議しても始まらない。第二次世界大戦になだれ込んだ。

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