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経済・企業 大阪・関西万博を問う

大阪の街中から“もう一つの万博”を/5 木下功

期間限定販売された大阪ええYOKAN(ようかん)(2023年5月9日、大丸梅田店)
期間限定販売された大阪ええYOKAN(ようかん)(2023年5月9日、大丸梅田店)

 自分たちの街をもう一つの万博会場に仕立て、面白いイベントやプロジェクトを応援し、大阪を盛り上げる取り組みを紹介する。

>>連載「大阪・関西万博を問う」はこちら

 夢洲(ゆめしま)だけで終わらせず、街ごと全部会場に──。2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)を巡っては、海外パビリオンの工期遅れ、会場建設・運営費の大幅増加、防災・安全対策の課題など会場となる大阪湾の人工島・夢洲に起因する問題が次々と浮上している。一方で、夢洲の外、大阪の街にはさまざまな形で万博の機会を活用しようとする人たちがいて、挑戦意欲が高い人たちを後押ししようという取り組みもある。

「万博カラーのやぐら」

 万博開催まで残り約1年という4月12日、大阪市北区のJR天満駅前、天神橋筋商店街の中ほどに、白地に赤と青の模様が入った万博カラーのやぐらが登場。「街から万博をつくっていこう」という「まちごと万博」のオープニングセレモニーで、電鉄マン、紙芝居屋、ミュージシャン、助産師ら多様な背景を持つ登壇者がそれぞれ万博に向けての活動をアピールした。

 セレモニーでは、「まちごと万博」を提唱・推進する一般社団法人「demoexpo(デモエキスポ)」の花岡代表理事と、司会を務めたFM802のDJ、土井コマキさんが掛け合いで「まちごと万博」について説明している。

土井 「『まちごと万博』、なぜ仕掛けようと思ったんですか」

花岡 「2018年からずっと街から盛り上げていこうという活動を6年ぐらい、(万博)誘致の(決定)前からやっている。決まって良かったんですけど、夢洲の万博が跡形なく、なくなってしまうのはもったいない。それなら街に残していこうと『まちごと万博』を21年ぐらいから提唱し始めて、今の公式発表という形になります」

土井 「プラットフォームもつくられるということですが、それはどういうものなんですか」

花岡 「今日からウェブサイトが公式サイトとして公開されたりとか、30代、40代、今から活躍するであろう街の人たちがいろんな街のパビリオンをつくっていこうというのをやっていて、それを登録して紹介していく。それらを25年、夢洲と街が会場になることを目指してやっていこうかなと思っている」

土井 「大阪の街中にパビリオンができて、そこのサイトを見ると、例えば旅行に行くときに参考にできるようになるってことですね」

花岡 「観光だけじゃなく文化とか、大阪は人がおもろいと思うんです。人としゃべって、観光だけじゃなく、居酒屋でしゃべったり、たこ焼き屋でしゃべったり、そういったところに触れるとすごく楽しい旅になると思う」

 自分たちの街をもう一つの万博会場にして、万博をきっかけに生まれる面白いイベントやプロジェクト、万博を機に何かに挑戦する人を「パビリオン」に見立てて応援していこうという取り組みだ。

「大阪ええYOKAN」

 では、どんな「パビリオン」があるのか。

 当日の登壇者の一人、老舗和菓子店「高山堂」の五代目当主で社長の竹本洋平さん(47)が仲間と進めているのは、新しい大阪土産を作り出すプロジェクト「あたらしい大阪みやげ計画」。22年夏にスタートし、現在、菓子メーカーなど11社と大阪緑涼高校、関西大学万博部が参加している。

 伝統的な和菓子のようかんに新しい食感や大阪らしさを加えた進化系ようかん「大阪ええYOKAN」を各団体が考案。大…

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