株価の不安要因は戦火の拡大 市岡繁男
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年初からの3カ月間で2割高となる好スタートを切った日本株だが、4月以降は膠(こう)着(ちゃく)状態にある。では今後はどうなるか。筆者が注目するテクニカル指標(月足MACD)は、日本株の方向性を的確に捉えてきた。そのシグナルは今も「買い」のままであり、8月末の終値が5月末より約9%以上、下がらなければ「売り」にはならない。だから今夏までは株価が下がっても限定的だろう。
だが、その先はわからない。期限の制約がある仮需(信用残+裁定残)は過去の株価ピーク時と同水準であり(図1)、株価は伸び切った状態にあるからだ。日銀は国債買い入れ(量的緩和)の縮小を考えており、今後は長期金利の上昇→日米金利差の縮小→円安修正→株安という展開もあり得る。何よりも、この十数年の株高は量的緩和に支えられてきた(図2)。そのサポートが弱まる中で何が悪材料が出たら株価は失速するしかない。
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週刊エコノミスト
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