改革深化を提起した3中全会 さらなる経済減速防げるか 真家陽一
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中国国家統計局の7月15日の公表によれば、中国の第2四半期(4~6月)の実質GDP(国内総生産)成長率は前年同期比4.7%と、第1四半期の5.3%から0.6ポイント低下した。報道官は「異常気象や自然災害の多発など短期的な要因に加え、国内の有効需要不足など、経済運営における困難や課題が増えていることが反映された」との見解を示した。
国際通貨基金(IMF)は7月16日公表の「世界経済見通し(改訂版)」で、中国の今年の成長率予測を好調な輸出を主な理由に5%に上方修正したが、2025年は4.5%、高齢化と生産性の伸びの鈍化による逆風を受け、29年には3.3%に減速と予測する。
経済の減速が予測される中、中長期的な経済政策の基本方針を決定する中国共産党第20期中央委員会第3回総会(3中全会)が同15~18日に開催された。3中全会の最も重要な成果とされるのが「改革のさらなる全面深化と中国式現代化の推進に関する中国共産党中央委員会の決定」の採択だ。
「決定」は全15部で構成される。第1部が総論、第2~14部が各論で、経済、政治、文化、社会、生態文明、安全保障、国防・軍隊などに関わる政策が打ち出され、第15部で改革に対する党の指導の強化がうたわれている。「決定」で提起された改革措置は300余りにも上る。
「社会主義現代化」
総目標としては、35年までにハイレベルの社会主義市場経済体制を完成させ、中国の特色ある社会主義制度をさらに整備し、国家のガバナンス体系とガバナンス能力の現代化を基本的に達成するとともに、社会主義現代化を基本的に実現し、今世紀半ばまでに社会主義現代化強国を完成させるための堅固な…
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週刊エコノミスト
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