盗電がなかなか減らないインド 毎年160億㌦の損失 中島敬二
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7月、デリーの寺院から電気を盗んで電動スクーターを充電した男が隣人に非難され刺殺された。インドでは盗電が極めて多い。毎年電力盗難による損失が約160億ドル(約2.4兆円)もある。総発電量の20%以上が盗まれている。
2013年のドキュメンタリー映画「街角の盗電師」を思い出す。人口280万人のうち18%(50万人)しか電気契約をしていないカンプールで、電力会社の職員に賄賂を払い違法配線をして無料で電気を供給していた盗電師の姿を描いた映画である。
政府は03年に電力法を制定し盗電に厳しく対応している。例えば初犯者は盗電金額の3倍の罰金。2度目の有罪判決で6倍以上の罰金に加え6カ月以上の懲役に科せられる。さらに高度な監視システムを導入するなど、盗電を抑制する努力は続けている。
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週刊エコノミスト
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