米利下げは株価の警戒シグナル 市岡繁男
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ダウ工業株指数は8月下旬、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の利下げ発言を好感し、最高値を更新した。だがFRBの決断が裏目に出て、ドル安と株安でかえって景気は悪化する恐れがある。
株価が堅調に推移する中で、FRB議長が利下げを示唆するのは異例なこと。それだけ景気後退が迫っているのだろう。7月の失業率が4.3%に上昇したことは、その判断材料の一つだ。経験則では、失業率の3カ月移動平均が直近1年の最低値から0.5ポイント以上、上振れすると不況になるが、今まさにその状態にある(図1)。
だが、最初の利下げ後は不況に陥るのが常で、株価も3カ月後には平均6%下落している。短期金利の下落で長短金利の逆転(逆イールド)が解消されそうなことも、株安の進行を予感させる。過去を振り返ると、逆イールド解消後は株価が急落する場合がほとんどだ(図2)。
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週刊エコノミスト
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