国際・政治 チャイナウオッチ 中国視窓

中国のコンテンツ市場は100兆円規模 自前ソフトに世界的人気作も 久保和貴

コスプレーヤー撮影で性能を知ってもらおうと、日本のカメラ企業も参入(2024年7月、筆者撮影)
コスプレーヤー撮影で性能を知ってもらおうと、日本のカメラ企業も参入(2024年7月、筆者撮影)

 ゲームや漫画、アニメなどデジタルエンターテインメントの博覧会「ChinaJoy(チャイナジョイ)2024」が7月26~29日、上海で開催された。今年も中国全土から大勢のファンが集まり、4日間の来場者数は36万人を超えた。出展企業は743社に達したという。会場ではやはり日本製コンテンツが展示の規模や集客力で際立ち、「機動戦士ガンダム」や「ワンピース」などのブースは盛況だった。

 ただ、今年はコンテンツ企業だけでなく、日本の製造業の企業も多く参入した。博覧会には例年多くのコスプレーヤーが集まり、至るところでカメラマンによる即席撮影会が始まる。日本のカメラ企業複数社は、こうしたカメラマンに自社のカメラを持たせてコスプレーヤーを撮らせる、という手法で製品をアピールしていた。集まった人たちは日本のカメラを使い、さまざまなポーズをつけて楽しそうに写真を撮りあっていた。

 そのほか、日系の自動車メーカーも自社製品に派手な塗装を施し、注目を集めていた。中国系の企業も車体にキャラクターを大きく描き、「痛車」として自身のコンテンツ愛を周囲に誇示しようとアピールをしていた。今年は、中国におけるコンテンツ人気を取り込もうとして、業種の垣根を飛び越えて多くの企業が参加している様子が印象的であった。

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 中国ではコンテンツエンターテインメント市場が年平均6%超のスピードで成長し、今や日本円で100兆円を超える一大産業となった。市場の主たるプレーヤーは若年層の学生とホワイトカラーで、消費者の8割を占める。この層は趣味への支出を惜しまない特徴があるとされ、市場が堅調な拡大を続け…

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