教養・歴史 グラフの声を聞く

世界インフレを抑えた米シェールオイル 市岡繁男

 米国株は2008年9月の金融危機で暴落し、翌年3月、07年11月につけた最高値の半値で底打ちした。S&P500のザラ場最安値はくしくも666(欧米では凶数)だった。筆者は緊張感を持って相場を見ていたが、そんな杞憂(きゆう)をよそに、株価はコロナ禍まで右肩上がりが続いたのだった。

 リーマン・ショック後の世界経済が持ち直したのは、中国が超弩(ど)級の景気振興策を打ち出し、全世界がその恩恵を受けたからだ。08~20年にかけて、中国の実質国内総生産が2.3倍になる中で輸入額も2.2倍に拡大し、新興国も先進国も潤った。普…

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歴史に学ぶ世界経済第1部 マクロ、国際社会編18 世界を待ち受ける「低成長」 公的債務の増大が下押し■安藤大介21 中央銀行 “ポスト非伝統的金融政策”へ移行 低インフレ下の物価安定に苦慮■田中隆之24 インフレ 国民の不満招く「コスト上昇型」 デフレ転換も好循環遠い日本■井堀利宏26 通商秩序 「 [目次を見る]

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