週刊エコノミスト Online 書評

トランプ氏の姪の精神医学者が祖父と父の関係を軸にした告白の書を発表 冷泉彰彦

 メアリー・L・トランプ氏はドナルド・トランプ氏の姪(めい)で、精神医学の研究者ならびに臨床医として活躍している。また、2020年には叔父のトランプ大統領とその家族について批判的に描いた書『世界で最も危険な男 「トランプ家の暗部」を姪が告発』が世界的ベストセラーとなっている。この本の出版にあたっては、特にドナルド・トランプ氏の脱税の手口が詳細に記述されていることから、トランプ家より出版停止の仮処分を求める訴訟が起こされたが、これに勝訴して出版に漕(こ)ぎ着けたという経緯もあった。

 そのメアリー氏が続編とも言うべき “Who Could Ever Love You: A Family Memoir (「誰があなたのことを愛せるというのか 家族の回顧録」)を出版した。前作が主に姪の立場から見たドナルド・トランプ氏を中心とした家族の暴露本であったのに対して、本書は更に時間軸をさかのぼっている。主題はメアリー氏の父親、フレッド・トランプ・ジュニア(フレディ)氏に対する祖父のフレッ…

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