オーストラリア政府が水素ビジネスに前のめり 守屋太郎
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豪政府が水素の生産・輸出に前のめりになっている。9月に報告書「豪州国家水素戦略」を発表し、供給拡大や需要創出、貿易・投資促進などの行動計画を示した。世界市場をリードし、2050年までに国内で最大3000万トンを生産する目標を掲げた。既に国内7カ所で生産・輸出拠点「水素ハブ」の建設計画も進め、1キロ当たり2豪ドルの優遇税制も公表している。
水素は水を電気分解して精製する場合、資源はほぼ無尽蔵。再エネだけでつくる「グリーン水素」は、温室効果ガスを発生しない次世代燃料として期待される。ただ、水素で走る燃料電池自動車(FCV)は、電気自動車(EV)と比べて普及が遅れた。火力発電の混焼、直接燃焼させる水素エンジン、炭素を出さない「水素還元製鉄」などが研究・開発されているが、貯蔵・輸送に難があり、需要が本格的に立ち上がっているとは言えない。
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週刊エコノミスト
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