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ニューヨークの“無形文化財”だったニュース専門ラジオが停波 冷泉彰彦

停波直後のスタジオの様子。メディア業界サイトBNMは惜しむ記事を掲載(BNM)
停波直後のスタジオの様子。メディア業界サイトBNMは惜しむ記事を掲載(BNM)

「WCBS880(エイト・エイティー)」といえば、中波880キロヘルツの周波数で聴く事ができる、ニューヨーカーなら誰でもなじみのラジオ局である。ほぼ24時間ニュース専門で放送し、3分おきに「今、何時何分です」と時刻をアナウンスして時計代わりにもなった。だが、時代の波には勝てず8月末をもって「停波」した。

 その歴史は古く1950年代には解説を含む報道局として名声を確立。70年代にはニュース専門局としてヘッドライン(主要ニュース)を中心に、終日同じようなフォーマットでニュースだけを伝える局として、多くの聴取者を獲得した。特に2001年の同時多発テロの後は、刻々と変わるニューヨーク市内の様子を的確に報道してその信頼度は更に高まった。しかし、10年代に入ると急速にスマホが普及する中で、リアルタイムのニュ…

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