『食料危機の経済学』 神門(ごうど)善久著 ミネルヴァ書房 2970円
『食料危機の経済学』 神門(ごうど)善久著 ミネルヴァ書房 2970円
声高に危機が叫ばれる時ほど、冷静に状況を分析する必要がある。世界人口の増加に伴い、ともすれば自明視されがちな食料危機について、農学博士の著者はまず実証的な数値を示し、それがメディアと大衆が作り出した虚構であることを暴く。そしてその背景には、石油などの地下資源を大量に浪費する飽食暖衣の高度消費社会がまかり通っている事実を指摘、将来に向けた方策として、自然と人間の共存をベースに農業と教育の融合を考えていく。(K)
週刊エコノミスト2024年11月12・19日合併号掲載
『食料危機の経済学』 神門(ごうど)善久著 ミネルヴァ書房 2970円