中国共産党が“異例”の政治局会議 「経済光明論」は影潜め政策総動員へ 真家陽一
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習近平国家主席の主宰による中国共産党中央政治局会議が9月26日に開催され、今後の経済運営が討議された。中央政治局会議は原則月1回開催される党の重要会議だが、経済問題は通常、4月、7月、12月の年3回、それぞれ年初以降、下半期、翌年の経済運営について討議される。今年も7月30日、下半期の経済運営を議題に開催されたばかり。わずか2カ月後に再び経済問題が取り上げられたことは「異例」といえる。
注目は、会議後に公表のコミュニケで「経済運営に新たな状況と問題が表れている」との認識が示されたこと。「新たな状況と問題」が何を指すのか、コミュニケには明記されていないが、上海財経大学の劉元春学長による、国営公共放送「中国中央電視台(CCTV)」のニュース番組(9月27日)で内容を示唆した。著名経済学者の劉学長は「年初・年央に総括した経済情勢と比較して、現段階でいくつかの変化が表れている」と強調。欧米が金融政策を転換したことで、中国の政策にも緩和余地が生じたことや、中国の輸出に対する欧米からの圧力がさらに強まったことで、今後の受注に影響を与えていることを指摘した。
事実、米連邦準備制度理事会(FRB)は9月17~18日に連邦公開市場委員会(FOMC)を開催。政策金利を0.5%引き下げ、4.75~5.00%とした。また、米通商代表部(USTR)は9月13日、中国からの輸入品に対する制裁関税の第1弾引き上げを発表し、27日から実施。電気自動車(EV)は現行の25%から4倍の100%に引き上げられた。さらに、欧州連合(EU)は7月4日、中国製EVへの暫定的な相殺関税措置を発動し、8月20日に最終措置案…
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週刊エコノミスト
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