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“生成AI”熱が陰り始め米ハイテク株に黄信号 渡辺浩志

 米国のハイテク株に黄信号がともっている。

 9月に米連邦準備制度理事会(FRB)が利下げを始めると、米ハイテク株は上昇基調を強めた。だがその裏で、株高の原動力となってきた生成AI(人工知能)への期待に陰りが見え始めている。

 図1は、ハイテク銘柄を中心に構成されるナスダック100指数の株価収益率(PER)と米国の実質金利だ。2022年終盤までは両者に強い逆相関がみられたが、同年11月にチャットGPTなどの生成AIが登場すると、関係は途切れた。理論上は「PER=1÷(実質金利-期待成長率)」と定義できる。PERと実質金利の乖離(かいり)を埋めるのは、期待成長率の高まりということになる。生成AIが産業革命を引き起こすとの期待がハイテク株のPERを押し上げてきた。

 図2は、PERから逆算した期待成長率だ。生成AIの登場とともに急上昇し、一時は5%を超えた。その動きは「ハイプ・サイクル」の「黎明(れいめい)期」特有のものにみえる。ハイプ・サイクルとは、米調査会社ガートナーが提唱する概念で、先進技術への期待度(期待成長率)の変遷を示すものだ。先進技術が登場すると、①期待が急上昇する「黎明期」を経て、②過度にもてはやされる「ピーク期」を迎え、③急速に関心が失われる「幻滅期」に陥り、④利点が理解され再評価される「啓発期」の後、⑤普及し社会に貢献する「生産性の安定期」に入る──という五つの局面をたど…

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