アフリカの鉱物資源をアフリカの雇用につなぐ 後藤直挙
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「雇用だ!(Job!)」。
筆者が参加した、アフリカ各国の閣僚や国際機関が登壇するパネルディスカッションで、ある国際機関の職員がアフリカの経済成長にとって一番重要なことを聞かれ、答えた一言である。当時は随分シンプルな回答だと思ったが、今は、腑(ふ)に落ちるように感じる。
アフリカは、その資源埋蔵量を背景に、過去に海外投資家等からの投資ブームを経験している。そこで流入した海外資金が、アフリカ諸国の雇用創出や経済発展につながったかは疑問が残る。
地中・地表にある油や鉱物資源はそのままでは使えず、不純物を取り除くなどのプロセスを経る必要がある。大規模な工場に加え、安定的な電源や化学品も必要で、関連産業の裾野が広く、雇用の受け皿になる。これまで、アフリカの資源は輸出され、加工は外国で行われてきた。アフリカには新たな雇用が発生しにくい構造だ。
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週刊エコノミスト
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