統一通貨ユーロの黄昏 市岡繁男
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欧州の統一通貨ユーロは1999年、主にフランスとドイツの政治経済力を背景に発足した。当初は加盟各国の財政統合も予想されたので、南欧とドイツの長期債利回りはほぼ同一だった(図1)。そんな幻想が崩れたのは2007年のパリバショックからだ。
仏BNPパリバ銀行が米国のサブプライム問題に巻き込まれたことで、欧州では金融危機が勃発し、08年のリーマン・ショック、09年のギリシャ危機と続く過程で、加盟国の長期金利はバラバラになった。だが、ドイツが中心になって南欧諸国の財政難を救済し、長期金利の…
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週刊エコノミスト
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