週刊エコノミスト Online編集後記

編集部から 古沢佳三/藤枝克治

編集部から

 今は昔(今となっては、もう昔のことだが)。サッカーは日本でかつてマイナースポーツだった。ノンフィクション作家の佐山一郎さんがよく話題にするのが、1990年に開かれたイタリアW杯決勝時のことだ。実況放送に当たった某局アナウンサーが、特別ゲストとして出演した王貞治さん(現・福岡ソフトバンクホークス球団会長)に「王さん、野球のスライディングとサッカーのスライディングの違いは?」と大マジメに聞いたのだ。私も生中継を見ていたが、ミジメな気分になったことを覚えている。

 ジャーナリストの木村浩嗣さんが本誌に書いたように、今回のロシアW杯での日本代表の戦いぶりは、国内外問わず、多くの人の心をつかんだ。膨らみつつある今の人気をJリーグにうまくつなげることが重要だ。それが次回のカタールW杯でベスト16の壁を破るカギになる。

(古沢佳三)

 知り合いの男性が孤独死した。50代、独身、独り暮らし。体調が悪いと聞いていた親族が様子を見に訪れると、椅子に座ったまま亡くなっていたという。

 こうした場合、「不審死」扱いとなり、警察を呼ぶ必要がある。ちょっとした騒ぎだ。検視が行われ、犯罪性がないと確認されるまで、遺体を引き取ることはできない。

“おひとり様”時代になって、こうした出来事は増える。家族がいなければ、地域のコミュニティーに見守りの機能が期待されるが、人付き合いが希薄になっているなかでは難しい。

 可能性があるとしたらIoT(あらゆるものをネットにつなぐ技術)だろう。腕時計などで常時、心拍数や体温などを測定し、異常があれば家族や医療機関に通知する。死後何日もたって発見されたくはない。孤独死を防ぐ社会の仕組みがもっと必要だ。

(藤枝克治)

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