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教養・歴史この経済書を読む

『金融政策に未来はあるか』 評者・斉藤誠

著者 岩村充(早稲田大学大学院教授) 岩波新書 760円

異次元緩和の落とし前 タブーを真正面から議論

 岩村は、専門家として金融政策に対する賛否の判断に禁欲的となり、人々が「失われた20年」を金融政策の失敗と結び付け、2013年春から発動された異次元金融緩和を強く支持した経緯を尊重している。

 本書では、異次元金融緩和が期待インフレ上昇にある程度効果があったとする。一方、物価水準が主として将来の財政余剰から決定されるとする理論(FTPL)に基づいて、異次元金融緩和でベースマネーを飛躍的に拡大させたにもかかわらず、物価水準への影響が軽微であった理由も明らかにしている。

 岩村は一般の読書人にFTPLを平易に明快に説明している。ただし、貨幣鋳造収入が政府収入に含まれるなど複雑なケースについては進んだテキストを参考にしてほしい。

残り796文字(全文1159文字)

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